2013/12/01

かぐや姫の物語

T・ジョイ京都で映画『かぐや姫の物語』を観た。高畑勲監督のジブリ作品。原作「竹取物語」。かぐや姫の犯した罪と罰とは何か。満足度★★★★★。


いい映画で、めちゃめちゃ感動した。今年1番泣いた映画かも(T_T)。「そりゃ反則ですよ」という場面が、最後に行けば行くほど多々有り。「娘の結婚式のパパの気持ち」は、こういう感じかなと思った。

エンディングで流れる主題歌「いのちの記憶」(二階堂和美)がまた素晴らしい。この曲をiPhoneで聞くと、映画の余韻に浸れるな。

かぐや姫の性格や行動から随所で「ナウシカ」を連想した。監督は違えど、ジブリが描く「お姫様像」には共通点があるな。「女の子にはこうあってほしい」という男から観た理想像のような感じもするが・・。女性の視点から見ても「かぐや姫」に共感するところが数多くあるとは思う。

宮崎駿監督の『風立ちぬ』に続いて、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』と、今年のジブリ映画は当たり年だなぁ。人生に必要なのは、「出世やお金」ではなく「人間性(短文表現は難しい・・だから映画になる)」ですよ、というメッセージを受け取った気がする。人生のベテランになり俯瞰できると観えるだろなと。

「親が思う子供の幸せ(教育パパママの視点)」と「子供が思う幸せ」はイコール(一緒)ではない、と1000年以上も前の物語だが、現在でも同じ構図の事が続いているな。「親ひいたレールの上を歩む人生(かぐや姫曰く"ニセモノ")」ではなく、自分の決めた路の人生を歩みたいと願う子供。この点で、人類は進歩していないのか、そもそも人間とはそういう生き物なのか。人生の新参者として生まれ、アマチュアのまま人生を終える。IT革命などで、日本人の生き方も随分変わるんちゃうん、とポジティブに21世紀はだいぶ変わることを期待。

かぐや姫の「月に帰る」ということは、何んらにせよ「死の世界」を連想した。白血病であったり、将来を悲観して自殺であったり。もしくは、昔なら中国大陸や朝鮮半島に帰る、というのかもしれないな、とも思った。

Twitterのハッシュタグ「#かぐや姫」でみると、有名人、一般人に問わずタイムリーに「かぐや姫の物語」を観た感想を観れるので、とても面白い。キレがあったり、ぶっ飛んだ感想がたくさん。これが「多様性」というやつか。他の方法では簡単にできないTwitterの効力だ。それをみていて「女童の存在感が凄い」というのが多かった。同感!

かぐや姫が美人さんで、翁の媼の行動は想定どおりだったが、まさかまさかのかぐや姫の付き人の「女童」が、とても印象に残ることになろうとは。かぐや姫に迎えが来て月へ去るときに、女童が子供達とわたべ唄を歌うシーンは、猛烈に感動する。この映画の一番印象の残った感動シーンだった。そして、それが何故かは、よくわからない。今後、ネットで誰かが「女童シーンの感動の心理状態」を解説してくれるだろう。

『かぐや姫の物語』予告

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