2013/12/21

桐島、部活やめるってよ

「戦おう。オレたちはこの世界で、生きて行かなければならないのだから。」

映画『桐島、部活やめるってよ』を観た。朝井リョウ原作。青春群像劇。学校の人気者が部活を辞めたことで波紋が広がる。満足度★★★★☆。

第36回日本アカデミー賞(2013年3月)で、「最優秀作品賞」「監督賞」「編集賞」の三冠を受賞。また「話題賞」にも選ばれている。

YouTubeで「町山智浩の映画塾」の「予習編」を観て、『桐島、部活やめるってよ』の本編を観て、再び町田さん解説の「復習編」を観るというサンドイッチ。「原作の小説と映画の違い」や「吉田大八映画監督の狙い」「過去の映画との対比」など、今回も『宇宙人ポール』に続き町山さんの解説が抜群に面白かった。

こういう「解説付き」で映画を観る楽しみはありだな。表面的な事だけでなく、深いところまで知ることができる。次ぎは朝井リョウの原作を読もう。

■予告編動画『桐島、部活やめるってよ』

■町山智浩の映画塾『桐島、部活やめるってよ』(予習編)

■町山智浩の映画塾『桐島、部活やめるってよ』(復習編)



【本】

朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』を電子書籍で読んだ。小説すばる新人賞受賞作。バレー部を辞めた桐島の波紋が広がる。5人のオムニバス。「宮部実果」のとこで涙々(電車中だったので、心の中で)の大感動!満足度★★★★★。

朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ

「映画⇒町山智浩さんの解説動画原作」という順番で『桐島、部活やめるってよ』の世界を楽しんだ。自分が中学時代にやったバレーボール部が題材だったこともハマった理由の一つ。バレーボール部の体育館に漂う「空気感、雰囲気」みたいなのがとても懐かしい。今から思うと「バレーボール」をすること自体が純粋に楽しかった。

映画と小説では、物語の設定はほとんど同じだが、「物語の展開」や「詳細」は全然違った。どちらもとても面白かった。「本(活字表現)の面白さ」と「映画(映像表現)の面白さ」が対比でわかるとてもいい例かも。

「高校のクラス内での階級、上・下」ってなのもテーマだが、同世代の日本人であれば誰もが感じたであろう独特の雰囲気。これは若者読者の共感を得るはずだ。「全国中の日本人の高校生が同じ雰囲気を味わう」というのも、ある意味変なカンジであるが、その背景として「テレビ文化」による全国一律化や、教育指導要領で縛る「全国一律化」の公立学校の教育の賜物というのがあるのかいな、とふと思った。

それであれば、私立高校で「自由な校風」をENJOYした人達は共感できないのかも(体験していないので、偏見が入った想像の世界だけど)。子供の教育的にはそちらの方が良いと思う。「人間的」なので。しかし、日本の企業に入れば、同じような一律文化を結局味わうことになるのだが・・。

このように「皆と一緒が好き(一律化文化?)」という日本人の文化が高校生活にも影響が大きいのだろうな、ということを本テーマではないが、間接的に感じた。

朝井リョウの作品はこの『桐島、部活やめるってよ』が始めて。面白かったので、他の著作も読みたくなった。第148回直木賞を受賞『何者』や、『少女は卒業しない』『チア男子!!』が気になる。これらも正月休暇の課題図書?

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