2014/01/26

小説『清須会議』

「民の心を掴んだ者」が天下を取るんだ。

三谷幸喜『清須会議』を読む。織田家の跡取りを決める会議。独白(モノローグ)の形式。シナリオ風の現代語訳の心理描写が面白い!満足度★★★★★。

小説『清須会議』(※秀吉の手にはスマホ)

先に映画『清須会議』を観ているので、各登場人物のイメージを頭の中に描きやすかった。そして、映画では語られなかった、登場人物達の「心理描写」が、しかも「現代語訳」で書かれているところがミソ。三谷幸喜の「遊び心」満載。

ストーリーも、映画を観て結末を知っているのに、ハラハラドキドキで面白かった。絶対不利な状況の秀吉が、黒田官兵衛の「入れ知恵」を駆使して、あの手この手で、自分が有利な状況へもっていく。柴田勝家も「負けじ」と、勝家なりに戦術を繰り出す。

柴田勝家(権六・親父殿)、羽柴秀吉(藤吉郎・筑前)、丹羽長秀(五郎左)、滝川一益(左近将監)、明智光秀(日向守)、池田恒興(勝三郎)、前田利家(犬千代)、黒田官兵衛、前田玄以、堀秀政(久太郎)、寧、織田信長(お館様)、織田信忠、織田信雄(三介)、織田信孝(三七)、織田信包(三十郎)、お市、松姫、三法師。

清須会議」というイベントにまつわり、これだけの歴史上の人物が一挙に出てくる。映画の途中では、誰が誰だかよくわからなくなるときもあったが、登場人物の独白(モノローグ)の形式で話が展開する小説は、その点、とてもわかり易かった。『清須会議』という作品は、「映画⇒小説」の順番でセットで味わうと、「三谷幸喜時代劇ワールド」の理解がより深まりやすい。

「会議という名の戦(いくさ)」。これは、現代の企業や組織にも通じる部分が多そうだ。根回し、戦術の重要性。結果は戦が始まる前に大部分は決まっている。司馬遼太郎『太閤記』を読んだときも感じたが、秀吉の「人心掌握術」はとても勉強になる。「歴史」を知る重要性は、こういうところにもあるんだな。今回の小説版でも大活躍の「黒田官兵衛」。ますます、どんな人物だったか知りたくなってきたぞ。しかし、放映中のNHK大河ドラマ「黒田官兵衛」は観る予定はないが・・。

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