2014/01/03

グーグル、ネット覇者の真実

スティーブン・レヴィ『グーグル、ネット覇者の真実』を読んだ。Googleを組織内部から取材した話。追われる立場から追う立場へ。満足度★★★★★。

スティーブン・レヴィ『グーグル、ネット覇者の真実

かなり「ビジネス」の勉強になった。Appleやスティーブ・ジョブズの話も好きだが、Googleの話も面白い!「Google本」はたくさん出版されているが、著者の内部取材が許可されただけあって、本書が一番内容が濃い、と言われているようだ。

iPhoneのKindleに入れて、少しづつ読んでいたのだが、やっと読み終えた。 632ページとボリュームあり。電子書籍だから、本の大きさは実感できなかったが、紙の本なら持ち歩くのはとても大変だったに違いない。下手したら積読で終わったかもしれない。「重さが負担にならない」「読みたい時にすぐ読める」という電子書籍の利点をフルに実感した、記念すべき最初の本かも。

本の内容は、「Google」について、知らなかった事がテンコ盛り。「成功するまでのサクセスストーリー」「中国市場の参入と撤退」「SNSでのつまづき」と、とても興味を引き立てる話だった。「技術」も重要だが「人」がつねにストーリーのキーポイントになっている。「組織/人」の重要度の割合が、技術革新が早いIT業界では、だいぶ後者にシフトしているのだろう。

Googleは今までにない会社であったが、大企業化した後は、やはり「イノベーションのジレンマ」に落ち至ったか、陥りかけているという印象を受けた。そして、Googleも凄いのに、Googleの脅威となりながら、さらに次の時代を築きつつあるSNSの代表格FacebookやTwitterは、はやり凄いんだな。おそべし、シリコンバレー・パワー。日本発の「Line」はそれに対抗しているので「やるでないの」と改めて称賛したい気持ちになった。

Googleが本業の「検索エンジン」だけでなく、GmailやAndroidの無償サービスで、IT業界の革新や、スマートフォンの世界のベースを築いたように、「エネルギー業界」でも今後ビジネスを展開してくれたらええなぁ、人類のために、と他力本願で期待。とくに、「太陽電池」分野で。ブリンさんよろしくね。「自動車の自動走行」の分野では、すでにGoogleのプロジェクトは動いている、というのは本書の中ででてくる。今はまだバラバラだが、「IT」「エネルギー」「車」が連動してGoogleサービスで数年後には当たり前になっているかもね。

【語録】

・グーグルは「人工知能の会社」であると定義。彼らの目標は、膨大な量の情報を集め、自動学習アルゴリズムによってそれらを処理し、人類全体の脳を補強するコンピュータのような「知性」を開発することだった。

・グーグルがみんなにとって、3番目の大半脳球のような存在になってほしいと考えている。

・グーグルは、成功への近道は「世間一般の常識では不可能とされていることを実現してしまうことだ」という前提で設立された会社なのだ。

・ブリン。「大きなインパクトを与える仕事に取り組む人」が少な過ぎるように思う。みんなが失敗を恐れて、野心的な事に手を出そうとしないからだ。それに技術的な解決策、とりわけ、コンピュータにどれだけの力があるか、皆理解していない。

・ページとブリンが偶然にも幼少時に「モンテッソーリ教育」を受けた。モンテッソーリ教育は、子供には自分が興味を持ったことを追求する自由を与えるべきだ、という教育哲学に基づいている。

(スティーブン・レヴィ『グーグル、ネット覇者の真実』)

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