2014/02/11

そして父になる

「もうミッションは終了だ。」

京都シネマで映画『そして父になる』を観る。「6年間育てた息子は、他人の子でした」。出生直後に子供が取り違えられた二家族の話。満足度★★★★★。


映画を観終わった直後に頭に流れたフレーズは「人は人にどこまで優しくなれるのだろうか」。心暖まるいい映画だった。ラストは涙々の感動。

主人公演じる福山雅治の「心境の変化」がとても胸を打つ。色んな事があり、人生は大変だ。「父になる」のも大変だ。

人生は試行錯誤の連続。山あり谷あり。「完璧」を求めるから苦しくなるのだろう。最初から「困難はあって当然」と思った方が良さそうだ。人生とはそういうものだから。順風満帆なんぞあろうはずがない。

「学歴」とか「一流企業」など戦後日本で目指すべきもの、とされた所とは違うところに、「人としての目指す所があるような気がする」と映画を観ながら思った。子供が「お受験」「お稽古事」に邁進する所から話はスタート。現代日本の教育イメージでよくある風景。多かれ少なかれ、日本人であれば経験したであろう出来事。

福山雅治と尾野真千子が演じる「現代日本の典型例」夫婦との対比として、真木よう子とリリーフランキーが演じる夫婦が、「こういう形がいいなあ」と監督の理想と思うところなのだろう。「人と人の間の人間性」が「心の安定」や「幸せ度」の決定要因。「人の間=人間」とはよく言ったもので。真木よう子の「母性パワー」は印象にとても残った。

是枝裕和監督の映画は、これまでに『誰も知らない』『歩いても 歩いても』『大丈夫であるように』『空気人形』『奇跡』を観た。そして今回の『そして父になる』。毎回、心に栄養をもらっている。色々なテーマがあるが、とくに「現代日本の家族、親と子の関係」が中心にある。監督の次回作も楽しみだ。

『そして父になる』予告編

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