2014/03/01

リー・クアンユー、世界を語る

電子書籍で、グラハム・アリソン著 『リー・クアンユー、世界を語る』を読む。シンガポール建国の父が、米中印、イスラム、民主主義などの未来について語る。満足度★★★★☆。

ビジネス書やテレビ番組「カンブリア宮殿」を多く観て、「抜きん出たリーダー」がいると、その企業が大幅に伸びることが最近よくわかった。「リーダーしだい」とさえ言える。国家であっても同じだろう。その実例が、シンガポールの指導者リー・クアンユー。大前研一の話の中で、よくこのリー・クアンユーが登場していた。

仮に、仮に、日本でそのようなリーダーが現れたら、潜在能力の高い国力のある日本は、シンガポールのように伸びるだろう。「福祉国家、環境国家、技術国家・・」として「現代の黄金の国ジパング」と言われるかもしれない。しかし、そのような傑出した指導者を「生み出させない土壌」が日本社会に、強固に形成されているという気もする。

「優れた人材」はいるのかもしれないが、よほどの事(敗戦のような)がないかぎり、そのような人材は、リーダーに選出されないシステム。「安定を望む人達」にとって、「変革を目指す人」は、例え優秀な人であったとしても、「安定を脅かす脅威」として排除されてしまうのだろう。意識的にも無意識的にも。そして、これまた企業でも同じ事が言える。

グラハム・アリソン著 『リー・クアンユー、世界を語る

【語録】

リー・クアンユーは「シンガポール建国の父」として、腐敗していた貧しい都市国家を現代国家へと変貌させた。「変革」というものを熟知している。各国の指導者は、リーの洞察力や独創性からヒントを得てきた。「舵取りするヒント」を「リーの戦略的思考」に見いだしている。「分析が深く、優れている」がために、「会って教えを請うべき人物」と見なされた。現代の指導者の中で、大きな影響力の持ち主であるとともに、「独自の戦略的思考を編み出した思想家」でもある。

・「他に抜きんでる」ことで勝ち組になろうと考える。優れた知性や規律、創造力が、資源の代わりになる、と考えた。

・中国には「世界で最強の国家になろう」という意図がある。他の新興諸国と違い、中国は中国として存在し、「欧米の名誉会員」としてではなく、「中国として受け入れられる」ことを望んでいる。

・シンガポールは「儒教の教え」は中国と共有。英語を第一言語にし、中国語を第二言語として確立する取り組みをしてきた。理由は、「世界言語」というだけでなく、「英語の思考法」によって、新しい発見や発明につながる効用を考慮し、世界に向けて門戸を開放するためだ。狭い都市国家でそれができたのは「強いリーダーシップを発揮」したからだ。中国の言語障壁は深刻。

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