2014/07/06

祖谷物語

「お爺!」、それでも少女は山で生きたいと思った。

京都シネマで映画『祖谷物語 -おくのひと-』を観た。秘境徳島「祖谷」で暮らす、お爺と娘の物語。35mmフィルム撮影の映像美が凄い!ストーリーは観終わってから、タイムラグでじんわりと心に沁みてくる。満足度★★★★★。


園子温監督が「最高!俺は超推薦する。 」とコメントして、さらに「徳島」が舞台の作品なら観にいかない訳にはいかない。

上映時間は約3時間。満席の京都シネマ。映画終了後に、蔦哲一朗監督(30)と主演女優の武田梨奈さん(23)の舞台挨拶。映画にまつわる興味深い話が聞けて良かった。事前に知らなかっただけに、サプライズ的でうれしい。

武田梨奈さんは「頭突きで瓦を割るCM」で有名な空手家アクション女優。今回は格闘アクションは無しだが、崖を落ちたりと、秘境の大自然だけに何かと激しいシーンが。表情が「綾瀬はるか」にとても似ているなぁ、と思いながら『祖谷物語』を観た。この映画の魅力の半分は、武田梨奈さんの春菜役にある。

蔦哲一朗監督と武田梨奈さん(主演)の舞台挨拶

蔦哲一朗監督は祖谷近くの徳島池田町出身で、祖父が甲子園を沸かした有名な池田高校野球部元監督の蔦文也なのだとか。舞台挨拶では、「デジタル撮影ではなく、35mmフィルム撮影にこだわった理由」や、「もののけ姫やトトロなどジブリ的な世界観をイメージして、この映画を作った」「武田梨奈さんには演技ではなく、素を求めた」「ラストシーンの意味(自然に戻っていく)」「お爺役の田中泯さんに、出演オファーのため、FAXで何度もやり取りをして、シナリオ説明や熱意をアピールした」「河瀬直美さんの演技はおそらく素(笑)」「宿から車で1時間、そこから撮影現場まで1時間山登り」など、作品の理解が深まる話が聞けた。

蔦哲一朗監督、武田梨奈さんともに今後の映画作品が楽しみだ!

テーマは「自然との共生」。祖谷の住民は、「山に残るのか、都会に出るのか」の選択を迫られる。逆に、都会から、自然の中での生活を求めて「外部の人」が祖谷やってくる。これまた、映画『Wood job』に続き、この前読んだ新書『里山資本主義』とつながる話だな。「里山」テーマに関心が行くと、最近色々と関連ごとに出会う機会が増えてきた。

予告編『祖谷物語



0 件のコメント:

コメントを投稿